ハルヒノ窯の器について
陶芸家プロフィール
中野 則子
陶芸家/春日野窯オーナー
土物の器を使うところは世界中にたくさんありますが、それを『愛でる』というのは日本ならではの文化です。土に親しみ、美を見出す侘び寂びは日本文化の神髄であり、日本人の心のベースとなっています。さらに、土物の器にこだわり、その季節ならではのいいものを食べる。それは『よく生きる』ということにつながります。私が春日野窯を単なるアトリエギャラリーではなく陶芸体験カフェにしたのは、私たち日本人が古来から大切にしてきた季節感や、旬を大切に食べること、丁寧に物を作ることを改めて感じられる場所を作りたかったからです。人によっては陶芸に、重たくて渋いイメージをお持ちかもしれません。ですが私は土で軽やかさを表現したい。「不易流行」という言葉がありますが、本質を忘れずに新しさも求めながら、人が身近に置きたいと願う、使う人の心をほんの少しでも豊かにできる器を作り続けたいと思っています。
昭和33年生まれ。奈良県出身。中学校教員から陶芸の世界へ。結婚を機に県外で活動し、近年はフランスでの作品展など海外にも活動の場を広げる。2014年11月、出身地の奈良で制作に取り組みたいと春日野窯を開く。
■経歴
・ルイヴィトン財団が運営する日本の伝統工芸展覧会に出品(2012 年・フランス)
・マレ地区のギャラリーでの5人展(2012年・フランス)
・国際交流基金日仏文化会館にて伝統工芸8人展(2013年・フランス)
・第67回奈良県美術展覧会優秀賞受賞(2016年・日本)
奈良の布を使って模様を施す
春日野窯で取り扱っている器はすべて、陶芸家 中野則子の手によるものです。
中野の作品の特徴は、「布目」という布の織目を利用して模様をほどこす技法をメインとしていること。中野はこの技法に奈良の布を使用しています。布目から生まれた模様は、簡素なモノや自然(じねん)に「味わい」や「美」を感じる、日本人の美意識に訴えかけてきます。また気になった器は販売も行っております。
あなたにぴったりの器と出会えることを願って…。